2012-06-28

木のリムで組んだ、滑らかホイール


ここのところ、仕事仲間になってもらっている、
西脇ジンヤくんが、短期のヨーロッパ・ライドから帰ってきた。
そのお土産として、木のリムを持って帰ってきてくれた。
http://jinyaatca.blogspot.jp/(ヨーロッパでのお話はこちら)




なんでも、自転車のリムを木で作るオーストリアの職人さんと
知り合いになったんだという。
もとも、車いすのリムを木で作っていて、
その技術を応用して(ってそのままだけど)自転車用も
作っているそうな。


木のリムというから、木をリムの形に削りだすのかなと
思っていたが、実物は、薄く切った木を何層かに張り合わせるという
青森の民芸木工品『ぶな子』と同じような作り方。http://www.bunaco.co.jp/

もちろん、木の上からコーティングしてある。
雨や泥でも問題ないそうだ。

ロード用、マウンテンバイク用と、サイズも豊富。
ただ、使えるタイヤが『チューブラー』のみ。
 (普通のタイヤではなく、接着剤でタイヤをリムに
  取り付けるもの。昔のロードでは主流だった)

ジンヤくんが、「サイズも選べますよ」というので、
チューブラーが豊富にある700Cサイズ、
シクロクロス用の太めのものをお願いした。
もちろん、ディスクブレーキのハブで組んで、
マウンテンバイクで使うためである。

この木リムを、ジンヤくんがお世話になっている
埼玉県・飯能市にあるサイクルハウス・ミカミさんで
ホイールに組み上げてもらった。

帰国したジンヤくんがそのまま届けてくれてたのだが
組むまでの間、店内にぶら下げていたら、
「え? 木のリムですか?!」とお客さんたちの
食いつきは、ハンパじゃなかったとか。

オーナーの三上さんは、自転車に対する考え方と遊び方が
心を読まれてるんじゃないかと思うぐらいボクと同じ感じ。
細かいこと言わなくても、欲しい感じに組んでくれたので、助かった。


組み上がったというので、サイクルハウスミカミに引き取りに。
久々に会うジンヤくんが、またカナダに出発するというので、
その壮行会もかねて、みんなでお寿司をいただいた。
アルコールも存分に投入、危うく終電を乗り過ごすぎりぎりまで騒ぐ。

さて、シクロクロス用としてお願いしていたはずが、
手元に届いたのは、29インチ用の太さ。ちと太すぎる。
サイズ35cぐらいの700Cタイヤでは、接着剤がはがれちゃうのだ。

むー、どうしようなんて悩んでいるうちに、三上さんの
『いらないモノ箱』から、<TUFO>デッドストック、
スリック系オレンジ色のタイヤが出てきて、これがなぜかぴったりハマった。
黄色いサイドがカワイイのだが、もう販売されていないんだとかで残念。
かわいいのに本気な性能、ってのがいいのにね。
クイックなし、ディスクローターなしで、いまんところ重量1591グラム。



さっそく走る。 
とてもしなやかな乗り心地に驚く。

これまでも、700Cリム+30Cのタイヤを
同じフレームに履かせて走っていたことはあるのだが、
そんなのとは比べ物にならないぐらい、滑らかな走り心地。

ちょっと荒れた車道のぼこぼこは吸収しちゃうし、
もう、スルスルーって印象。
漕ぎ出しも重くないし、一度スピードに乗ったら、
振動でスピードが落ちるような感じもしない。



乗り心地がいい、とはこういうことを言うんだね。
新たなリアサスがわりか、なんて思っちゃうぐらい、
滑らか、という言葉を体現してるリムとタイヤの組み合わせだ。

2~3度乗ったことのある、決して安くはないカーボンフレームが、
サドルに座っていると、こういう乗り味だったような気がするが、
立ち漕ぎで踏み込んだ最後の方でグニャっとする感じがしないのが、
カーボンフレームの乗り味と違うところかな。


チューブラータイヤを使うのは初めてなので、
タイヤの特性なのかもしれないけど、
クロモリフレームでも、カーボンの乗り味を味わえる
これまでになかったホイールなのかなあ、と思ったよ。

で、一番気になるのが、耐久性だ。
700Cだろうが何だろうが、縁石など飛べそうなところは
全部飛ぶという、トラディショナルでオーセンティックな自転車乗りに
必ず怒られる乗り方しかできないオレだ。

で、もちろん木リムを使っていることをすっかり忘れて、
つい何回も飛んでるんだけど、今んところ、問題ないかんじだね。
つい飛びたくなっちゃう乗り心地と加速の感じなんだけど、
でも飛んじゃいけないってのは、実はちょっと辛いな。


ちょっと前に、FACEBOOKに写真を載せたら、
レジェンド・オオタケさんが「ツーリングに使うといいだろうね」
と、いきなり見抜いていたが、まさにその通りだ。


ツーリング用のモンキー98に履かせるのがいいんだろうなと思ってる。
女の子が使うと、すごくいいと思うんだよな。
ただ、ぱっと見は、木のリムを使ってるって気がつかれにくいので、
その辺が、ちょっと寂しいところかな。


なんか、ますます「バカが乗る自転車」って感じの色使いになってきたが、
だってバカが乗る自転車なんだから仕方ない。
写真ではなく、ぜひ実物をお見せしたいぐらいのバカっぷりだ。




ダイアテックプロダクツ・チームとライドin京都



土曜日の朝。6時半に加納慎一郎くんが迎えに来てくれた。

加納くんは、フルサスでボヨボヨとしたマシンを使うのが
当たり前のマウンテンバイクのダウンヒルレースで、
リアサスのない<ハードテイル>フレームを使って、
わりと中盤ぐらいの成績を出していた。

今は、レースもやめ、自転車のフレームビルダーになるべく
修行していたのだが、その腕を買われて、京都にベースを置く
自転車系の会社、ダイアテック・プロダクツに入社している。
http://diatechproducts.com

そのダイアテック・プロダクツの社内ミーティングが
社外というか、近くのおやまで行われるというので、
加納くんにお願いして、参加させてもらった。

そもそもダイアテックは、自転車業界の会社には大変珍しく、
男性社員の全てが、マウンテンバイクのライダーである。
それも、スタミナ自慢系ではなく、きちんと乗れる連中ばかり。


スタミナ自慢ではないはずなのだが、
サクライさん(左)とテラモト(右)と二人は、
登りのペースがかなりに速かった。

そのうえ、サクライさんは、登りがキツくなるほど、やたらと
話しかけてくる。こちらも息を切らしていないふりして応える。
オレだって山を20年乗っている。そんな駆け引きはわかっている。

のちにサンタくんから聞いたのだが、
京都の人たちは、なんだかやたらと登りが速いそうなのだ。
負けず嫌いなのかもしれない。東京スタイルのゆるさ
(というより高田馬場モンキー・スタイルか)で臨むと
かなり、吹っ飛ばされる。





サクライさんは、この京都周辺のトレールのことを、
ホントによく知っている。山に囲まれた盆地地帯である
京都は、中心部からちょっと足を伸ばせば山があるのだが、
相当に走り込んでいないと、あれほどのトレールに関する
知識と地元マナーを語れないと思う。


途中、サクライさんチームと加納くんチームの二つに分かれた。
サクライさんは、まだ山に慣れてない社員連中をつれて、
別のルートから下る。こちらは加納くんを先頭に、
マツノくん、オレ、テラモトという4人。まあいわゆる
腕と走りに自信のある連中チームだ。


特にテラモトはもう20年近くの付き合いになるのだが、
山を一緒に走るのは初めてだ。テラモト(IBMじゃないほう)は、
オレの後ろに付き、絶対に前に出ない。付かず、離れず。

そういえば、昔、クロマグの大将、イーアンと初めて
ウィスラーの山ん中を、走ったときもこうだった。
こんなふうに、後ろに付かれて、
見定めるような視線を感じていたんだった。


ビジターは、ローカルの前を走るのだ。
路面を慈しみ、トレールの流れと一つになり、
走りの中で、自分のスタイルを、後ろのローカルに見せる。
それがビジター・ライダーとしての、礼儀である。


さて京都のお山さん。
いきなり急だ。しかもあれだ、根っこがボッコボコ。



かなりハードコアである。関東周辺の、わりと
走りやすい斜度山とは、
また違った感じのトレールっぷり。




続くよ。