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ばかねこ

ツォーの軒下に、知らないうちにばかねこが住み着いている。 3匹。お母さんばかねこと子どもばかねこ2匹。 たぶん、お母さんばかねこは、1年ぐらい前の ツォー周辺新駅誕生 と同時期にうろちょろしてた子どもねこが大きくなって、お腹も大きくなった結果だと思う。グーグルさんによるとなんかねこは生後8ヶ月ぐらいで性的に成熟するらしいので、多分そうだと思う。早いね。 子どもばかねこ2匹は、それぞれ黒色と三毛色をしている。お母さんねこは用心深いのかあまり姿を見かけることはないが、黒色と三毛色のばかねこたちはばかなので、ツォーの雨戸を開けると、そこにちょこなんと座って、こっちを見つめていることがある。ばかだ。 さらにばかなのが三毛色の方で、このあいだ、ツォーのジャングルを見つめながらぼんやりしていたボクを、あっちからじっと見ていたかと思うと、ふやふやしながらこっちに近づいてきて、50センチぐらいの距離からこっちを見ている。 それを皮切りに、三毛色のばかは、ばかさを発揮して、先日なんかは、つい空けていた窓からツォーの中に入り込んできて、ソファーでぼんやりしていたボクを、かあちゃんの机の下から見つめていた。出てけと追い出したが、隙あらば、こっちに近づいてこようとするあたりが、黒色のばかよりも、よりばかである。 実写版『好奇心おう盛な仔猫ちゃん』である。腹が立つ。 子猫なので、事情を知らない人がみるときゃあきゃあいうのも腹が立つ。おとといぐらいに雨が降り出して、さすがに軒下に入り込んでるんだろうなと思い、ちょっとのぞいたら、なんかその辺に転がってる植木鉢の残骸の中にまるまっていた。ますます腹が立った。ばかねこは腹が立つので嫌いだ。はやいとこどっかに行ってくれないと、困ったことになる。

新しい駅

 愛しの東京ベース、ツォーの近くに新しく駅ができた。ツォーの名前の由来である町名が、そのまま駅名になっている。これからツォーの住所を言うたび「え? XXXXX?」などと聞き返されることもなくなるだろう。そんなこともないか。  もともと東京ダークスポット、昭和中期がそのまま残されたような町並みのツォー周辺。以前から週末になると、カメラをぶら下げた婦女子かガイドブックを持ったご年配の方々がよく訪れ、その町並みを慈しんでいた。メインストリートの商店街もいつもヒマそうで、東京都心とは思えないほど、ぼんやりとした空気の漂う一角だった。  それが駅のオープンした初日、大変な騒ぎとなった。いわゆる隠れ名店というのがすべて陽の下に明かされた。午後1時すぎには、愛するパン屋には商品が一つもない。いつも無愛想な弁当屋のおばさんも、おにぎりを握っても握っても売れてしまうため、愛想が良くて面白かった。いつもはくすんでいる商店街の店頭が、ちょっときれいになっていた。  もちろん、カメラぶら下げボーイズ(オールド)&ガールズも半端じゃなく歩いてる。なにせ時代から取り残された場所なので、ちょっとファインダーを覗けば、絵になるアイテム&アーキテクトが多いのだ。みんなバチバチとシャッターを押しまくっている。あ、そこ名所じゃないです、普通の人の普通のうちです。  この辺りが猫の街だというのもついにバレるかもしれない。この周辺は猫が大きなソサエティを形成しているのだろう、ツォーにも、飼ってないのに猫がいる。窓を開けて油断してると、俺のコンピュータの前で昼寝してたりもする。周囲住人の懸命の抵抗により、その数は減ってきたようだが(さてどこに行ったんだろう)、我らが寝床フートンでは、また小さく新たな猫住人を数匹見かける。連れているのは、こないだまで子猫だったやつだ。  理由は秘密だが、この辺には若い女子も多い。彼女たちも、ちょっと目を離すと小さいのを連れて歩くようになるのだろうか。おっさんには、そんな町が毎日まぶしい。