スキップしてメイン コンテンツに移動

木のリムで組んだ、滑らかホイール


ここのところ、仕事仲間になってもらっている、
西脇ジンヤくんが、短期のヨーロッパ・ライドから帰ってきた。
そのお土産として、木のリムを持って帰ってきてくれた。
http://jinyaatca.blogspot.jp/(ヨーロッパでのお話はこちら)




なんでも、自転車のリムを木で作るオーストリアの職人さんと
知り合いになったんだという。
もとも、車いすのリムを木で作っていて、
その技術を応用して(ってそのままだけど)自転車用も
作っているそうな。


木のリムというから、木をリムの形に削りだすのかなと
思っていたが、実物は、薄く切った木を何層かに張り合わせるという
青森の民芸木工品『ぶな子』と同じような作り方。http://www.bunaco.co.jp/

もちろん、木の上からコーティングしてある。
雨や泥でも問題ないそうだ。

ロード用、マウンテンバイク用と、サイズも豊富。
ただ、使えるタイヤが『チューブラー』のみ。
 (普通のタイヤではなく、接着剤でタイヤをリムに
  取り付けるもの。昔のロードでは主流だった)

ジンヤくんが、「サイズも選べますよ」というので、
チューブラーが豊富にある700Cサイズ、
シクロクロス用の太めのものをお願いした。
もちろん、ディスクブレーキのハブで組んで、
マウンテンバイクで使うためである。

この木リムを、ジンヤくんがお世話になっている
埼玉県・飯能市にあるサイクルハウス・ミカミさんで
ホイールに組み上げてもらった。

帰国したジンヤくんがそのまま届けてくれてたのだが
組むまでの間、店内にぶら下げていたら、
「え? 木のリムですか?!」とお客さんたちの
食いつきは、ハンパじゃなかったとか。

オーナーの三上さんは、自転車に対する考え方と遊び方が
心を読まれてるんじゃないかと思うぐらいボクと同じ感じ。
細かいこと言わなくても、欲しい感じに組んでくれたので、助かった。


組み上がったというので、サイクルハウスミカミに引き取りに。
久々に会うジンヤくんが、またカナダに出発するというので、
その壮行会もかねて、みんなでお寿司をいただいた。
アルコールも存分に投入、危うく終電を乗り過ごすぎりぎりまで騒ぐ。

さて、シクロクロス用としてお願いしていたはずが、
手元に届いたのは、29インチ用の太さ。ちと太すぎる。
サイズ35cぐらいの700Cタイヤでは、接着剤がはがれちゃうのだ。

むー、どうしようなんて悩んでいるうちに、三上さんの
『いらないモノ箱』から、<TUFO>デッドストック、
スリック系オレンジ色のタイヤが出てきて、これがなぜかぴったりハマった。
黄色いサイドがカワイイのだが、もう販売されていないんだとかで残念。
かわいいのに本気な性能、ってのがいいのにね。
クイックなし、ディスクローターなしで、いまんところ重量1591グラム。



さっそく走る。 
とてもしなやかな乗り心地に驚く。

これまでも、700Cリム+30Cのタイヤを
同じフレームに履かせて走っていたことはあるのだが、
そんなのとは比べ物にならないぐらい、滑らかな走り心地。

ちょっと荒れた車道のぼこぼこは吸収しちゃうし、
もう、スルスルーって印象。
漕ぎ出しも重くないし、一度スピードに乗ったら、
振動でスピードが落ちるような感じもしない。



乗り心地がいい、とはこういうことを言うんだね。
新たなリアサスがわりか、なんて思っちゃうぐらい、
滑らか、という言葉を体現してるリムとタイヤの組み合わせだ。

2~3度乗ったことのある、決して安くはないカーボンフレームが、
サドルに座っていると、こういう乗り味だったような気がするが、
立ち漕ぎで踏み込んだ最後の方でグニャっとする感じがしないのが、
カーボンフレームの乗り味と違うところかな。


チューブラータイヤを使うのは初めてなので、
タイヤの特性なのかもしれないけど、
クロモリフレームでも、カーボンの乗り味を味わえる
これまでになかったホイールなのかなあ、と思ったよ。

で、一番気になるのが、耐久性だ。
700Cだろうが何だろうが、縁石など飛べそうなところは
全部飛ぶという、トラディショナルでオーセンティックな自転車乗りに
必ず怒られる乗り方しかできないオレだ。

で、もちろん木リムを使っていることをすっかり忘れて、
つい何回も飛んでるんだけど、今んところ、問題ないかんじだね。
つい飛びたくなっちゃう乗り心地と加速の感じなんだけど、
でも飛んじゃいけないってのは、実はちょっと辛いな。


ちょっと前に、FACEBOOKに写真を載せたら、
レジェンド・オオタケさんが「ツーリングに使うといいだろうね」
と、いきなり見抜いていたが、まさにその通りだ。


ツーリング用のモンキー98に履かせるのがいいんだろうなと思ってる。
女の子が使うと、すごくいいと思うんだよな。
ただ、ぱっと見は、木のリムを使ってるって気がつかれにくいので、
その辺が、ちょっと寂しいところかな。


なんか、ますます「バカが乗る自転車」って感じの色使いになってきたが、
だってバカが乗る自転車なんだから仕方ない。
写真ではなく、ぜひ実物をお見せしたいぐらいのバカっぷりだ。




このブログの人気の投稿

和訳『ステムの長さは、どのように自転車のステアリングとハンドリングに影響するのだろう?』

『ステムの長さは、どのように自転車のステアリングとハンドリングに影響するのだろう?』 という記事があった。これだ。 "How does stem length affect a bike’s steering and handling?" by Matt Wikstrom http://cyclingtips.com/2015/03/how-does-stem-length-affect-a-bikes-steering-and-handling/ 2015年3月30日に公開されたこの記事には、以下のようなことが書かれていました。ご参考までに。

東京近郊/マウンテンバイクが走れる場所は?

先日、山で遊んでいる最中に、こんなメイルが、来た。 同志マウンテンバイカーからの、切実な、訴えである。 同じような悩みを持つ方々にも参考になるかと思い、 転載する。 --------------------- On 2011/04/10, at 10:48, XXXXXX wrote: 中村様 はじめまして、私4月から社会人となり 東京に越してまいりましたXXXXXと申します。 今回メールさせて頂いたのは、  ご一緒にライディングさせて頂きたいからです。 当方、越してきたばかりで東京近郊のトレイルや ライディングスポット等が全くわかりません。 ショップさんにもまだ出入りしていないためツテがありません。 Twitterなどで中村様が色々な場所で乗っておられるのを知り、 ぜひご一緒させて頂きたいと思っていました。 もし4/23以降の週末に乗る予定がありましたら、 またご迷惑でなければご一緒させて頂けませんか? バイクはFOSEのプレデターで下りよりのセッティングです。 登りは正直あまり得意ではありません…。 自動車はありませんが、輪行バッグは持っています。 ご検討よろしくお願い致します。 -------------------------------- ということで、以下のメイルを返した。 ---------------------------------- こんにちわ。中村です。メイルありがとうございます。 まずは、東京にいらっしゃいませ。 東京は、マウンテンバイクに乗れる場所が、 なかなかに少ない地方ではあります。 ただその分、走れる場所は、ライダーのマナー/コースの出来なども含め、 なかなかに上質なものではないかと、自負しております。 これから、XXXXXさんが、少しずつ、 ご自分の走れるルートを開拓してゆくためには、まず 走れる場所に行き、 コースを紹介してもらえる方々と交流を深め、広げ、 走れるコースの情報や、その機会を 増やしていくのが一番なのではと考えています。 まずは、私が先日、製作に携わった、 自転車専門誌『サイクルスポーツ』2011年3月号に ついていた付録の冊子、『2011年 MTBコースガイド』を ご...

カナダ製デュレックスの高いやつ

 2つを続けてひいたに違いない、1週間に渡ったこのカゼも終焉を迎えたようで、ついに筋トレを復活できるぐらい復活しました。  病気で弱気になり色々考えてましたが、わかったなかでも一番いいなと思ったのは「カゼの治りかけは、とにかくおとなしくしないと損する」。  このへんは免疫がうんぬん、て話でしゃべりたい事いっぱいありますが、それは今度会ったときにでもゆっくりするとして、ここでは、それでも辛抱たまらず出かけてしまった徒歩五分にあるスーパーマーケットで買ったコンドームの話。  どこにでもある郊外のスーパーなので、コンドームは5種類のみでしたが、これらがこっちの標準と呼べるはず。コンドームを買うのも恥ずかしくないぐらい大人なので、一番良さそうなやつと一番高いやつをオトナ買いすることにしました。 『信頼の75年』(パッケージ裏コピーより)のカナダ製<デュレックス>2点。左上の『100%満足保証』マークも頼もしい。  右のオレンジ色が高いやつ、3つ入りで$3.99。『インテンス・センセーション』イボイボ付き。ムラサキのが3つ入り$2.99の『センシ・シン』スーパー薄いそうです。共に素材はラテックス。ちなみに他の3種はチープな$1.99モデル、4つ入り$3.99、アメリカ製<トロージャン>でした。  それなりに顔見知りになった店員のお兄ちゃんが、レジを通しながら、二度もボクの顔を見ました。二つ買ったからでしょうか。それとも一番かっこいいやつらだけを二つ買ったからでしょうか。様々な人種のいる国だけに、サイズは各種あるかと思いましたが、100%満足保証のワンサイズのみ。 (現金為替末端価格 1カナダドル=約125円!!?)