もう3月です。ということは、2月も終わってしまいました。
2月と同時に終わってしまったのが、
『カンナビス』の1Fにある『レベレーション』で行われていた、例の『HELMZ』の先行展示。
http://www.bscblog.jp/helmz/?p=120
このHELMZは、前にも書いた通りの自転車で、
これまでになかったあり方の自転車なのだが、
実物にまたがってみたら、結果として
やっぱりこれまでとは全く違う自転車だったので、
その模様をご報告してみよう。
まず、ウェブに流れている写真から受ける印象は、
全くあてにならない。
あれ、この自転車のいいところを全然伝えきれていない。
この自転車は、触んないと、わかんない。
触りもしないで述べてる人はぜんぜんわかってないから、
そんな人のこの自転車の話は聞く必要がない。
では、どこを触ればいいかというと、まずはこのへんだ。
ヘッド根元のトップチューブに触ると、
このざらついた塗装が、本当にざらついている感覚に驚く。
通ぶって言えば、カドワキのパウダーコートに似てるけど、
サンドペーバーの番数に例えたら、
カドワキは300番で、HELMZは125番ぐらい。かなりざらざら。
で、そのざらざらの表面が、
ウニャッとした立体チュービングに沿って、
トップチューブ後ろへと、微妙に上下左右へ細くなり太くなり、
つながっていく。この手を動かすと変化する
有機的な握り感がたまらない。
信号待ちなんかで、自転車にまたがって、
ついトップチューブに手を当てて、前後にこう、
繰り返しこすってしまいたくなるわけだ。無意識に。
外部から見ると非常に不健康な見た目になってしまうかもだが、
本人は無意識のうちにその握り感を堪能しているわけで、
人目のあるところでは、こすらないよう注意する必要がある。
そう考えながら細部を触っていくと、
もう、ものすごく変なところまで変にしているのに気がつく。
例えばフォークの後ろ、普通に考えればこれは
空気抵抗を低減するためのエアロフォルムだが、
HELMZの場合は、フォークの乳首である。
弄るためのざらざら乳首。
さて、HELMZのもう一つのチャームポイントが、
このチェーンリング周りである。
お気づきのように、チェーンリングガードには穴があいており、
普通で言えば軽量バカのためのオタクチューンなわけだが
HELMZの場合は、目玉である。チェーン全部目玉計画実行中。
でも「この自転車の目玉は、この目玉!」なんて言ったら大目玉。
ちなみに、このチェーンガードの精度を出すために、
スギノはこれ専用のラインを作って、生産したとかしてないとか。
パーツ・アッセンブルだってやばいぜ!
まずタイヤ。32Cの太さは街中の基本としても、
問題はブランドよ。ブリッジストン。ブリッジストンの
自転車タイヤなんて、アジアのどっかの工場に行って、
横流ししてもらわないかぎり、手に入んないぜ?
そんなタイヤが、HELMZロゴがプリントされた
オリジナルのリムに付けられてやってきます。
さすが大企業、やることが違うね。
で、問題のサムシフター。
なにが問題かって言うと、サムシフターであるということではなく、
『9速』のサムシフターであるということだ。
こういうことだ。
自転車変速業界における常識として、
7速以上のサムシフターは存在しないことになっている。
というのも、変速レバーの進化史上において、
8速以上は、ブレーキレバーとの一体変速になっているからだ。
だから9速のサムシフターは、
基本、存在していないはずなのである。
だが、それをあっさりやってのけたシビレる
ブランドがこのシフター・ブランドだ。
『マイクロシフト』。その手があったか。
世界のマイクロシフトが11速サムシフターを出す日も近い。
乗ってもいいよと言われたので、店の前である
原宿・キャットストリートのスラロームコースで
軽く3周ほどポール・スラローム。
ノーペダルでのプル+プッシュだけで、
クイクイと前に小気味よく加速していく感じは
さすがサブキャッチの『スピードクルーザー』通り。
あまり小回りは利かないが、深夜の都内をスピード出して
ぶっ飛ばしたら、超楽しそうな乗り心地だ。
=============
さて、長くなってしまったが、まとめよう。
HELMZが、これまでの自転車とは違うのは、
これは、自転車であることよりも先に、
自分を飾る一つのアイテムであるということだ。
言わば、ジャケット、コートのような存在である。
おしゃれなコート、カッコいいジャケット、
美しい靴、そしてイカした自転車。
誤解を恐れずに言えば、
ファッション・ピースの一つになるべくつくられた自転車だ。
消費者のニーズに応えると、自転車はどんどんダサくなる。
その実例が、今一番売れているクロスバイクなる車種である。
乗りやすく、使いやすいのかもしれないが、
だったら多段ママチャリが理想的な自転車だ。
で、HELMZは、そんな自転車業界の通例に
真っ向から勝負している(言い過ぎか)ように思える。
ただ正直、『デザイン』ではないと思う。
『デザイン』ではなく、『ファッション』だ。
ファット・ゴールド・チェーン・ペンダントと同じ
自分をカブくための1アイテムである。
じゃあ乗り味はどうなのかというと、
おそらくあなたが今乗っている自転車と比べても
まったく引けを取らない。
今は21世紀。制作担当は大企業ブリッジストン、
自転車作りの技術は、すでに頂点近くにまで来ている。
4月発売予定というこのHELMZ、
どこかで見かけることがあったら、ぜひ、
このトップチューブを触ってみて欲しい。
渋谷、原宿あたりという発信の方法も、
海外のファッション文化への派生を、
ぜひとも期待したいところである。実際、
なんの前情報もなく偏見もない
海外の人は、これに単純に食いついてきていた。
同時開催されてた、噂のBETONESのフル展示。
ボクはすでに6枚持ってます。
日曜日以外は曜日ごとに履くものが決まっているので
もし今日が何曜日だがわかんなくなっちゃったら、
ボクのパンツを見てください。
2月と同時に終わってしまったのが、
『カンナビス』の1Fにある『レベレーション』で行われていた、例の『HELMZ』の先行展示。
http://www.bscblog.jp/helmz/?p=120
このHELMZは、前にも書いた通りの自転車で、
これまでになかったあり方の自転車なのだが、
実物にまたがってみたら、結果として
やっぱりこれまでとは全く違う自転車だったので、
その模様をご報告してみよう。
まず、ウェブに流れている写真から受ける印象は、
全くあてにならない。
あれ、この自転車のいいところを全然伝えきれていない。
この自転車は、触んないと、わかんない。
触りもしないで述べてる人はぜんぜんわかってないから、
そんな人のこの自転車の話は聞く必要がない。
では、どこを触ればいいかというと、まずはこのへんだ。
ヘッド根元のトップチューブに触ると、
このざらついた塗装が、本当にざらついている感覚に驚く。
通ぶって言えば、カドワキのパウダーコートに似てるけど、
サンドペーバーの番数に例えたら、
カドワキは300番で、HELMZは125番ぐらい。かなりざらざら。
で、そのざらざらの表面が、
ウニャッとした立体チュービングに沿って、
トップチューブ後ろへと、微妙に上下左右へ細くなり太くなり、
つながっていく。この手を動かすと変化する
有機的な握り感がたまらない。
信号待ちなんかで、自転車にまたがって、
ついトップチューブに手を当てて、前後にこう、
繰り返しこすってしまいたくなるわけだ。無意識に。
外部から見ると非常に不健康な見た目になってしまうかもだが、
本人は無意識のうちにその握り感を堪能しているわけで、
人目のあるところでは、こすらないよう注意する必要がある。
そう考えながら細部を触っていくと、
もう、ものすごく変なところまで変にしているのに気がつく。
例えばフォークの後ろ、普通に考えればこれは
空気抵抗を低減するためのエアロフォルムだが、
HELMZの場合は、フォークの乳首である。
弄るためのざらざら乳首。
さて、HELMZのもう一つのチャームポイントが、
このチェーンリング周りである。
お気づきのように、チェーンリングガードには穴があいており、
普通で言えば軽量バカのためのオタクチューンなわけだが
HELMZの場合は、目玉である。チェーン全部目玉計画実行中。
でも「この自転車の目玉は、この目玉!」なんて言ったら大目玉。
ちなみに、このチェーンガードの精度を出すために、
スギノはこれ専用のラインを作って、生産したとかしてないとか。
パーツ・アッセンブルだってやばいぜ!
まずタイヤ。32Cの太さは街中の基本としても、
問題はブランドよ。ブリッジストン。ブリッジストンの
自転車タイヤなんて、アジアのどっかの工場に行って、
横流ししてもらわないかぎり、手に入んないぜ?
そんなタイヤが、HELMZロゴがプリントされた
オリジナルのリムに付けられてやってきます。
さすが大企業、やることが違うね。
で、問題のサムシフター。
なにが問題かって言うと、サムシフターであるということではなく、
『9速』のサムシフターであるということだ。
こういうことだ。
自転車変速業界における常識として、
7速以上のサムシフターは存在しないことになっている。
というのも、変速レバーの進化史上において、
8速以上は、ブレーキレバーとの一体変速になっているからだ。
だから9速のサムシフターは、
基本、存在していないはずなのである。
だが、それをあっさりやってのけたシビレる
ブランドがこのシフター・ブランドだ。
『マイクロシフト』。その手があったか。
世界のマイクロシフトが11速サムシフターを出す日も近い。
乗ってもいいよと言われたので、店の前である
原宿・キャットストリートのスラロームコースで
軽く3周ほどポール・スラローム。
ノーペダルでのプル+プッシュだけで、
クイクイと前に小気味よく加速していく感じは
さすがサブキャッチの『スピードクルーザー』通り。
あまり小回りは利かないが、深夜の都内をスピード出して
ぶっ飛ばしたら、超楽しそうな乗り心地だ。
=============
さて、長くなってしまったが、まとめよう。
HELMZが、これまでの自転車とは違うのは、
これは、自転車であることよりも先に、
自分を飾る一つのアイテムであるということだ。
言わば、ジャケット、コートのような存在である。
おしゃれなコート、カッコいいジャケット、
美しい靴、そしてイカした自転車。
誤解を恐れずに言えば、
ファッション・ピースの一つになるべくつくられた自転車だ。
消費者のニーズに応えると、自転車はどんどんダサくなる。
その実例が、今一番売れているクロスバイクなる車種である。
乗りやすく、使いやすいのかもしれないが、
だったら多段ママチャリが理想的な自転車だ。
で、HELMZは、そんな自転車業界の通例に
真っ向から勝負している(言い過ぎか)ように思える。
ただ正直、『デザイン』ではないと思う。
『デザイン』ではなく、『ファッション』だ。
ファット・ゴールド・チェーン・ペンダントと同じ
自分をカブくための1アイテムである。
じゃあ乗り味はどうなのかというと、
おそらくあなたが今乗っている自転車と比べても
まったく引けを取らない。
今は21世紀。制作担当は大企業ブリッジストン、
自転車作りの技術は、すでに頂点近くにまで来ている。
4月発売予定というこのHELMZ、
どこかで見かけることがあったら、ぜひ、
このトップチューブを触ってみて欲しい。
渋谷、原宿あたりという発信の方法も、
海外のファッション文化への派生を、
ぜひとも期待したいところである。実際、
なんの前情報もなく偏見もない
海外の人は、これに単純に食いついてきていた。
同時開催されてた、噂のBETONESのフル展示。
ボクはすでに6枚持ってます。
日曜日以外は曜日ごとに履くものが決まっているので
もし今日が何曜日だがわかんなくなっちゃったら、
ボクのパンツを見てください。