最近のマウンテンバイクビデオとか見ると、今どきのアラトゥー(アラウンド 20トゥエンティ)は、ハンドル幅780ミリぐらいのバイクに乗っている。こんな感じ。なんで780ミリかというと、30インチでキリがいいからだ。いま世界一速い男、サム・ヒルが乗っていたダウンヒルバイクには、FunnのFull onフルオンがついているように見えるが、たぶん特注である。
一方、都会のアラトゥーは、すごい狭いハンドルバーで乗っている。まあハンドルにいろんなレバーを付けなくてもいいのなら、そりゃ短くできる。よく考えたらオレもあんまりハンドル持って乗ってない。となりの9ちゃん(540ミリ)に聞いたら、350ミリぐらいなんじゃないのと言った。懐かしの竹定規よりも少し広いぐらいである。
これは、ほぼ毎日あざみ野から浅草まで20km以上乗って通勤している友人のバイクなのだが、そんなスピード系ツーキニングをこなす彼は言う。ハンドル幅が狭いと、今度はペダルが当たるんだそうだ。ハンドルはすり抜けられる幅でも、ペダルはすり抜けられずにガツンと逝く。車道を走っているときなんかには、かなりの大惨事となる。
そんなリスクを背負ってまでも、ハンドル幅が狭いやつには度胸がある。ワルだ。ワルでオシャレで、そのうえ自転車だ。女が欲しいものを全て持っている。そばを通るだけで妊娠する。ワルい男だ。この間、トラックバイクが原宿ガールの脇を通り抜けたとき、風圧でぐるぐる回りながらお腹がみるみる膨らんでいくのを見た。すごかった。
一方、幅広ハンドルの我々マウンテンバイカーは、泥クサイ、汗クサイ、田舎クサイと3拍子揃っている。そのかわり山ばかりにいるから純朴だ。自然を愛するピース主義。崖をドロップとか呼び「え、そこは飛ぶだよ」とボケた目で言うのが玉にキズだが。しかし純朴であるがために、「おらの嫁っ子になれ、一生幸せにしてやるがら!」と盛り上がってプラダガールをお姫さまだっこで持ち帰り、せっせと励んで腹を膨らませてしまうのだから、結局やってることは変わらない。