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くんと、さんと、さま。

 最近、わけあって博物館とラジオのことばかり考えているので、自転車よりマックさんと一緒にいる機会が多い。

 マックさんは、あるいは自転車よりも好きかもしれない。なにせ『さん』付けである。自転車が、『くん』でも『さん』でもなく呼び捨てなのは、これまでもこれからも連れ添うパートナーなので、呼称を付けるのはカッタルイ。

 マックさんは、いつ最新モデルを買ったとしても、絶対に満ち足りることがない。いつもどこか、なにかが足りない。そのなにかがなんだったのかがわかるのは、だいたい次のモデルチェンジを果たした時である。いつでも、欲しい。手に入れても手に入れても、決して手に入らない永遠の存在。それがマックさんだ。

 そんなパンダソニックのマックさんライフだが、最近、わりと自由に使えるマックさんが登場した。それが形がプロ用の四角く冷たいアルミの筐体、マックさまである。スペックは、まあ、今の最安マックブックさんにも鼻で笑われてしまう程度(G5デュアル1.8MHz)かもしれないが、その存在感は、マックさまと呼ぶにふさわしい。

 最近はマックさま、マックさん、昔のマックくんと、一つ机の上に3つのマックさんたちと向き合っている。やってることは一台のマックさんですることとなんら変わりはないのだが、この上ない幸せを噛み締めている。

幸せのかたち。

 実生活に視点を戻すと、マックさん、自転車、ベースギターくんという仲間と共に、今のパンダソニックは百代の過客である月日を流れている。ベースくんは、まだ1年ほど前に旅の仲間に加わったばかりであり、自転車やマックさんのように、一緒に自由になれるほどは操れない。そのため、くん付けにされてはいる仲間だが、場合によっては、一躍飛びに上位にくる可能性も秘めている。

「え? ベースくんと遊んでただけなのに、お金までもらえるのー?」 そんなことになってくれれば一気に、ベース様へと躍進する。そんなわけで、パンダソニック37歳、大人になったらミュージシャンになるのが夢である。軽くお金がもらえる程度の音楽家になって、文章だけでなく音も使って、みんなをもっとグルーヴィにしてみたい。

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