結局4泊5日、木曜日から月曜日までの間、日本のウィスラーである富士見パノラママウンテンバイク場にこもり、ただひたすらに、日本のA-line、ダートジャンプコースのテーブルトップラインを飛び続けた。ただひたすらに。
このテーブルトップラインというジャンプトレール、にらんだ通り、ただひたすら飛び続けても問題ないほどの出来の良さであった。斜面とジャンプの大きさは、まさにちょうど良いぴったり具合。スローなスタートから、次第に大きくなるジャンプを5つ飛び、バームtoバームで切り返し&スピードを乗せると、そのスピードに合わせて選んで飛べるフィニッシュジャンプで決め飛びドン!
これまでにいくつかジャンプトレールというものを走ってきたが、ここ富士見パノラマのテーブルトップラインほど、ただひたすらに、ジャンプの楽しさを安全に味わえるトレールは、いままでに飛んだことはない。ウィスラーにあったジャンプトレールですら、こんなに気持ちよくはなかった。ホントに。
しかし先にもお伝えしたように、今年の11月3日をもって、この、多分日本で最も安全で、最も飛びやすいダートジャンプトレールは、クローズした。多分いまごろ、このトレールをこの世に生み出した栗瀬裕太が、涙をボロボロ流しながら、つぶしていることだろう。
今年、これを走れなかった飛びたいあなた。あなたは非常に残念なことだが、大変な損をしてしまった。ジャンプする技術を、安全に身につけられる機会を逸し、長い冬を迎えてしまったのである。
ペダルを一切漕ぐことなく、一回の走りで6つのジャンプを飛べるこのラインを、パンダソニックは一日30本以上飛んだ。5日で170本ぐらいとして、170かける6、ざっと見積もって、1000回以上飛んだことになる。千羽鶴の例を取るまでもなく、これだけ飛べば、ジャンプの神様だって、なんか望みを叶えてくれるだろう。
じゃあ神様、その望みを言わせてもらいます。来年、絶対に、このテーブルトップラインを、今年と同じように、裕太に作らせてあげてください。
そうすれば、怪我をして悲しい思いをすることなく、自転車で飛ぶ楽しさ、気持ちよさを、より多くの人々に、カラダでわかってもらえるんです。
そうすれば、自転車が、単なる痩せるための道具、漕ぐための機材ではなく、自由になるための翼であるってことに、少しでも気がついてもらえると思うんです。
ここに載せた写真はだいたい、実は写真も上手なつかちゃんが撮った。パンダソニックのへっぽこ飛びでも、パンダソニックの安物カメラでも、彼が撮ったらこうなった。写真も、何を使うかではなく、何をどう撮るかというイメージの豊かさの問題だ。