さて、前回はパンクしたチューブの直し方をお伝えしたが、今日は、その直したチューブをタイヤに再び入れる正しい方法をお伝えしよう。
正しい、というのは、オレにとって正しい、ということだ。他の人にとって正しいかどうかは別にオレは知らん。
さらに、正しいこと、とは、ついめんどくさくて、できないことでもある。つまり、なかなかできないけど、できればいつもやりたいタイヤの付け方、ということだ。いつでもやろうぜオレ。
ではまずコイツを用意しよう。『パナレーサー・タイヤパウダー』。
タイヤとチューブの間にまぶし、滑りを良くして、互いにくっ付きにくくする、にくいやつである。
これまではJ&Jのベビーパウダーを使っていたが、これからは、このタイヤメーカーの純正ベビーパウダー、もとい、タイヤパウダーを、正しいタイヤ装着に、正しく使っていきたい。
これまではJ&Jのベビーパウダーを使っていたが、これからは、このタイヤメーカーの純正ベビーパウダー、もとい、タイヤパウダーを、正しいタイヤ装着に、正しく使っていきたい。
これが、タイヤパウダーを製品化してぼろ儲けしているに違いない、パナレーサーのタイヤ・マエストロ、みやじさんである。タイヤに正しいことを日々具現化している偉い人なのだが、その正しさがいつもスキマすぎて大ブレークしないのがクヤシイばかりだ。
ちなみにタイヤには正しいのだが、スポーツドリンクと称して、スポーツ観戦用ドリンクをボトルに入れてクイッとやって鼻を赤くしている姿は、まあそんなに正しいとは言えない。
ではまず、タイヤパウダーの正しい使い方を。付属のスポンジにタイヤパウダーをまぶし、タイヤの内側にまんべんなくパウダーを撫で付ける。
その辺が汚れがちなので、寒いとか暑いとか、カににさされるとか寂しいとかあるが、外でやろう。かににさされると血が出るぜ。
その辺が汚れがちなので、寒いとか暑いとか、カににさされるとか寂しいとかあるが、外でやろう。かににさされると血が出るぜ。
お次ぎはコイツだ。ビードワックス。これをダイヤのビード(内側のフチね)が、リムに入りやすく、外すときに外しやすくなるという、大変便利なものだ。
これもたいてい付属しているスポンジを使って、ビード部に薄く塗り付ける。欲張って多く塗ると気持ち悪いので、適度な量でカンベンしてやれ。
これもたいてい付属しているスポンジを使って、ビード部に薄く塗り付ける。欲張って多く塗ると気持ち悪いので、適度な量でカンベンしてやれ。
でもって、ホイールのリムを、全てタイヤの間に入れる。
このとき、タイヤブランドのかっこいいロゴとバルブ穴を合わせておく。雑誌などで撮影するときのマストセッティングだが、見た目だけの話ではなく、あとでいろいろと便利なのである。
そして、タイヤのビード(内側の部分ね)を、まずは片側だけ、すべてリムの中にはめ込む。
中に入れるチューブには、軽く空気を入れておく。空気量はチューブが本来の丸い形になるぐらいまでにしておくがよい。それ以上入れるとかえって入らなくなるので注意。
そして、片側だけビードが入ったタイヤのなかに、チューブを入れる。このとき、チューブのバルブをバルブ穴に通しておく。
ほら、ブランドロゴのところにバルブ穴があるって分かってれば、ホイール全体をぐるぐる回して穴を探さなくて済むから便利だ。言った通りだろう?
ここからが本番だ。リムにハマっていない側のタイヤビードを、両手で左右からじわじわと、均等に攻め込むようにハメテいく。
よく諍いの起こる事柄として、タイヤバルブ部を最初にハメるか、最後にするか、という問題がある。
オレはバルブを最初にハメて、最後にバルブ反対側を押し込む手段をとることが多いが、前述のみやじさんは、「最後にバルブ側をハメる方が、ばちこんとスムーズにハマるのでよい」と、昔言っていたと聞いたことがある。
オレはバルブを最初にハメて、最後にバルブ反対側を押し込む手段をとることが多いが、前述のみやじさんは、「最後にバルブ側をハメる方が、ばちこんとスムーズにハマるのでよい」と、昔言っていたと聞いたことがある。
しかしそれもずいぶん昔に聞いた話なので、今はどちらが正しいのかわからない。スポーツドリンクがスポーツ観戦ドリンクに取って代わるご時世だ、正しいが変わっていたところで、なんら不思議はない。
タイヤをハメるときに注意したいのが、タイヤのビードとリムとの間に、チューブが噛み込まないようにすることだ。この確認を怠ると、タイヤを全部付けて空気を入れ、ある程度入ったところで、「パンッッッ!」と発砲音のようなSUGOi音を立てて、チューブは破裂する。必ずする。
[*] 昔の深夜、夜な夜な通っていた東京・恵比寿のびっけさんちで、びっけさんのBMXが、びっけさん元プロライダーなのに、パンクしてそのまま放置されていたので、「おれが修理しといてやるよー」と、パッチ貼って修理してタイヤをはめてグイグイ空気入れたら、パンっっっっ!って深夜の恵比寿界隈に響き渡るSUGOi音がやっぱりした。
20秒もしないうちに、そこら中の窓がガラガラと空き、ご近所さんたら、ビデオカメラ片手にたくさん出てきた。発砲事件でもあったか、テレビに売るぜ、とワクワクしながら見物を決め込んだろう。ほんとに発砲事件だったら、みんな狙い撃ちされてたぜたぶん。
最後は、かなり硬くなるが、ビードをリムの内側に、一生懸命押し込む。
では、空気を入れよう。
本来なら、バルブに、もともと付属しているリングを取り付け、動かないようにするのが筋だ。だがこのリング、パンクしてチューブを取り出したときに、必ずどっかに逃げていくので、正しくはだいたい付けられない。
なので、バルブの裏側のタイヤの上から、バルブの根元を軽く押し、バルブを空気入れに差し込んでもリムの中に入っていかないようにしておく。
軽く空気を入れ、タイヤが膨らんできたぐらいで、もう一度、とにかくもう一度、タイヤビードとリムの間に、チューブが挟まっていないことを確認しよう。
タイヤを手のひらでグワシとつかみ、左右に(タイヤの進行方向に向かって左右、ということだ)コジって、目視で確認を行う。
でないと、深夜恵比寿で(以下[*]に戻る)
オレの正しい推奨空気圧は、このタイヤ、『タイオガ・サイコ ジーニアス』2.3サイズなら、1.7気圧ぐらいだ。指で押すと、グニュグニュとつぶれる程度である。
オレが尊敬する正しいダートのプロライダー、辻浦圭一くんなみの空気圧が今どきのMTBの乗り方に合っている。
なのだが、まずは4気圧ぐらいまで高圧に入れるのだ。タイヤがかちかちになるぐらいまで、空気を入れる。ワケがある。
最近のタイヤとかリムは、なんかキツキツが好きらしく、ハメたぐらいじゃハマらないことが多いのだ。空気を4気圧以上まで入れ進むうちに、「カン!」とか「ポン!」とか、マージャンような音が聞こえてビックリするかもしれないが、驚かず入れ進む。
この音は、タイヤビードが正しくリムに装着されたよ、という合図である。4気圧ぐらいまで入れたら、リムの脇をぐるりと指差し確認して、このタイヤのフチが、リムの外側に正しく出ていることを確認しよう。
ポンやカンなどの哭きがなければ、このフチがきちんと出ていないことがある。出ていなければ、きちんと一定の幅で出るまで空気を入れるか、フチが出ていない箇所のタイヤサイドを、地面に押し付けるようにして、フチを無理やり出す。
出さないでも、まあ乗ることはできるが、基本、真円がでていないので、乗り心地はグイングインして気持ち悪いし、ある日突然、ふと気を抜いたときにカン!されて、しかも裏ドラまでそいつに全部のって、リーのみ一発自摸ドラ8倍満プーとか言われてビックリする。
フチが全部均等に出ていることを確認したら、空気を1.7気圧まで抜く。
正しいみやじさんが作った、この空気圧計を使って、1.7気圧まで計るのが、正しい。
これで、和了だ。
これで、和了だ。