2008-10-06

ダウンヒルレース見学日記

 マウンテンバイクのダウンヒルレースを、ひさびさに見学した。
 レーサーたちがそこらで気軽に『応援に来てください』みたいなことを言っているので、こっちも気軽な気持ちで応援しに行ってみることにした。

 会場は、長野県富士見パノラマスキー場。日本でのマウンテンバイク・ダウンヒルのメッカと言われているここには、ほとんどの人がクルマで行く。しかし、都心+自転車(+ベロ酔いしたらタクシー)という実験生活を試みているボクにはクルマがない。そのため移動は自転車ワープ、バイク・パッキングこと輪行となる。


 起床は午前4時30分。全然気軽じゃないが、渋滞という人災を計算に入れなくていいから、楽っちゃ楽である。東京都新宿駅、午前6時00分発の中央線に乗って、カッコいい鈍行電車に2回乗りかえれば、乗車運賃3250円で、中央本線・富士見駅に午前9時51分、到着。



Mr.パンダソニックは、どこにでも行く。

 しかも土日の午前10時には、富士見パノラマスキー場までの無料送迎バスがお出迎えしてくれるため、ぼんやりしながらでも、午前10時半にはスキー場ゴンドラチケット購入窓口にたどり着くことができる。知ってた?


富士見駅前名物、巨大パンダコックさんがMr.パンダソニックをお出迎え。

 今回のレースとは、これまでとはちょっと違った試みがあった。通常、富士見パノラマのレースコースはゲレンデ内がゴールなのだが、この一戦では、その下にある駐車場がゴール。つまりゲレンデを走り終わったところから、さらに階段を下る、という例を見ないコース設定になっていたのだ。お気に入りの靴を汚さず観戦できるのは、日本ダウンヒル界の一大事。Mr.パンダソニックが、これを見ずして何を見るんじゃい、と言い放ち、輪行袋から顔出しての遠征とあいなったわけだ。


 レース自体は、名実共に日本を代表するダウンヒルレーサーとなった内島亮が優勝。ゼッケンは2だけれども、総合力で言えば日本一。マウンテンバイクショップを経営して、ショップ敷地内にはパークを作って、しかも自身は優勝争いでシーンを盛り上げているという、すべてを同時進行で行っている彼の底力には、ただただ感銘。日本のマウンテンバイク界は、もっと彼を大切にして、いろいろ見習うといいんじゃないかな。


 このレースには、立役者がもう一人いる。竹本将司だ。レーサーであり、ライダーであり、プロデューサーであり、そして日本の最高峰ダウンヒルレースである『Jシリーズ』内の、この一戦をオーガナイズした男である。
 階段をレースコースに組み入れるという企画も、彼の苦労が実ったもの。コース設定も、レーサー視点でのアイディアを取り入れ、上手いライダーとそうでないライダーとの差が出やすいようにしたそうだ。しかも、さっきまでインカムを耳に、そこらで厳しく目を配っていたくせに、自分もレーサーとしてきちんとレースを走ってた。現役レーサーが、自分たちの走るダウンヒルレースをオーガナイズしたというのは、少なくとも日本のマウンテンバイクシーンでは初めてのことである。

 しかし、このゲレンデ下部の芝生高速セクションが、実は走るといちばん気持ちよさそうなところだった。こういうオールドスクールなスタイルも、いまだからこそ、かなり悪くないんじゃない?


 あと、ダウンヒルのコースは、そのほとんどが山の中。なのでボクのように、普通にレースを見に来ている普通の観客が見られるのは、ほんの一部だけ。そういうボクらのためにレースレポートという、レーサーそれぞれのドラマを基に、自分なりのストーリーを組み上げて、妄想力で盛り上がれる材料があるんだけれど、最近は、それを目にする機会もなかなか少ない。

 そうなると、選手の走り自体を見て、すげーすげー騒ぐのが手っ取り早い。できれば、上から下までの選手の走りが見てみたい。せっかく映像機材も技術もお手頃になってきたので、そこを充実させてもらえるとありがたい。
 別にライブじゃなくていいから、事後にネットで見られるだけでもいいから、トップ3の走りをスタートからゴールまで、映像で見てみたい。その走りが頭ん中にあれば、それを一瞬でも生で見たときの、妄想のうねり上がりはすごいことになると思う。で、映像での満足に加えて、目には映らないドラマを、文章と写真で心に深く刻む副読本があればもっといい。そうすればダウンヒルレースは、レーサーたちの名誉のために行われる『レースという名の走行会』から脱出できるんじゃないかとも思った。www.freecaster.tvの真似でいいんだよね。できない?


 会場で見た、20インチダウンヒルバイク。乗せてもらった。乗り味はナイショ。どうしても20インチのダウンヒルバイクに乗ってみたくて、自分で企画して、ショップ『ジラフ』に相談して、作っちゃったんだって。マウンテンバイカーが欲しいものは、なにもかもこの世にはない。