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フルサス・リアカー・700C



 引っ越した。とは言っても寝床を移しただけの、いわば寝袋とマットとクッキングストーブの場所替えであるので、ベースであるみんなのパーティスペースZoo(ツォー)は相変わらずここにある。ご心配なく。

 その際に、こいつが少しだけ役立った。フルサス700C+自転車リアカーである。なにせ夢ばかりが大きいので、自転車リアカーも、おなじみ<Burleyバーレー>のいちばん大きな荷物が運べて、いちばん軽いモデルを手に入れた。海外で入手、残念ながら日本未入荷だ。



 しかしこの試み、日本のクルマ事情の中では走りにくかったのは確かだ。これからもう一度運ぶべき荷物があるのだが、少々おっくうである。クロネコヤマトの宅配便が使う、“旧”を見てみたい『新スリーター』に乗る人々の気苦労が、少しわかった。

 見た目はこんなだが、こう見えてもシングルスピードなので、実質上は『スポーツ系実用車』という全く新しいジャンルの自転車である。電動モーターの替わりに、踏み味も重量も軽く、フルサス+ホイール700C+タイヤ30Cの巡航性能(スピードが落ちにくい性質)を活かした、ヒューマン頼りの荷物運び車だ。

 本体のベースとなっているのは、完成車価格10万円を切るフルサス車《ジャイアント・ユーコンFX》。ここから余計なものを取り去り、好きなパーツに入れ替えて、超廉価版完全街乗りクルーザーを作る、という実験である。

 昨今の安いリアサスフレームは、重量も軽い。しかしリアサスの乗り味は、上位自慢のテクノロジー『マエストロ』とは、安い分だけかなり違う乗り味である。ただ二昔前の高級リアサスは、こんな乗り味だったように思う。乗ったことないが、前時代の高級モトクロッサーに乗っているような気分である。最新技術は、そのうち廉価モデルに降臨する。歳もくってみるものだ。

 白黒ボディは、Mr.パンダソニックにぴったりの相性。クルマを白黒に塗り分けるのは法律違反らしいが、自転車だったら問題ない。気分はまるでポリスマン。マウンテンバイク創成にあまり関係のない変なものを持ってるやつは、片っ端から逮捕するので気をつけろ。ただそのへんの先進国と同じように、そいつを没収したら、無罪放免で別にかまわない。

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