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『トラベル』の語源

ウィスラーで出会った心の同志が彼。
ゴリゴリだ。

チェーンが切れればチェーンのないまま乗り続け、10カ所以上パッチを張らずにはタイヤチューブを変えられず、フレームは折れるまで乗り、飛行機移動の人々が捨てたパーツを最新パーツとしてなくなるまで使い、しかもアイスクリームにはチョコフレーバーを選ばないという、曰く「違いのわからない男」である。

(手前のアイスはパンダソニックのもの。ブルーベリー&マッドチョコという、チョコマニアならではのカップリングである)

「乗れりゃあ、いっしょでしょ」というゴリゴリの達観には、いまだに前世紀のコンピュータとOSを使って日々の事務作業からパーツ制作業までこなすダウンヒルの天才ヤナギと同じ匂いがする。小麦粉一つで何でも作りたい、というパンダソニック思想でもある。つまり乗り手がいかに進化していけるのかという人生の遊び方。知りすぎたが故に手段こそ目的だと見間違っている感のある主流から外れた、ターンオン、チューンイン、ドロップアウトなやり方だ。使うのはLSDではなくマウンテンバイクの下りだが、LSDトリップの幻視なんかより、日本の紅葉マウンテンバイキングのほうがよっぽどサイケデリックだ。ビートルズもマウンテンバイクに乗ればよかったのに。


(ウェブに上げると色が沈むな。本物の山はもっとサイケで頭が痛くなるぐらいの色である。写真:今泉紀夫)

 ゴリゴリは現在、アメリカの自転車旅を敢行している。自転車に乗って行く、のが目的ではなく、自転車と一緒に行く、のが目的というこれまたパンダソニック思想の旅である。ざっくりと聞いた予定では、ラスベガスから始まり、モアブ、コロラド、ニューヨーク近郊という、マウンテンバイクの聖地系トレールを巡る、マウンテンバイク・ファンキー・トラベルである。お巡りが一目見たら止めたくなるような、そして止められなくても勝手に止まってしまうクルマを脚とするため、さまざまなトラブルに巡り会うことだろう。

 しかし『トラベル』の語源とは、その辺で適当にネット検索して出てくる全く知らない人のブログに誇らしげに書かれているように『トラブル』である。現在休刊中の『jtj』こと『自転車トラベルジャーナル』も、本当は『自転車トラブルジャーナル』の略である。『jtj』という略字をじっと見ていると、泣いてる人の顔に見えてくるのも、そのためだ。


 同志ゴリゴリが、よきトラブルに見舞われ、さらに達観することを、こころから期待している。ボクができないトラベルをするゴリゴリのトラブルを、いつの日か『自転車トラベルジャーナル』の1シリーズとして、まとめあげてやろうと、本人不在で、もくろんでいる。トラブルのないトラベルなんて、トラベルのない人生と同じである。昔どこかに書いたセリフだが、旅のない人生なんて、人生のない旅と同じである。


ウィスラーにくるなら、ここ『Cow's』のアイスはマスト。特にチョコ好きにはたまらんアイスがたっぷりと。わかりにくい場所にあるのでお見逃しなきよう。

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