2008-03-14

影と風

例のグリーンゲリラの件です。


ボクが信頼する師匠筋の一人が
実は、もっとすごい親方レベルのゲリラでした。

親方は、ゲリラというより思想家、アイディア家。
どう親方かと言うと、
もし明日から都内にいっさい食料がなくなったとしても
東京都内に生える食べられる植物の場所
菜っ葉とか山芋とかハーブとか
かなりの勢いで知り尽くしているので
たぶん飢えない、しかも季節グルメまで可能なほど、だそう。

ボクや友人のする愉快グリーンゲリラなんて足下にもおよばない
先の先の先を行く、親方だったのでした。

そんなグリーン親方が何年にも渡り培ってきた
都会型のグリーン知識を分けてもらいました。

ムカゴ、って知ってる?
山芋の葉っぱの根元に付く小さな実で
すりおろすとトロロみたいになって
そのままご飯に入れて炊き込んでも
おいしいの。お腹もいっぱいになるの。

このムカゴ、というか山芋という緑は
地面からにょきにょきとものすごい勢いで
ツタを延ばし、いろんなものに絡み付き
天に向かい、横幅を広げて伸びていく。

しかも生命力がものすごい強くて、
秋になってムカゴが地面に落ちると
それだけでまたにょきにょきと次の年に
ツタを伸ばして、盛大に栄える。
なにもしなくても、また盛大に栄える。

親方はそれを、横長のプランターに植えて
日当りのいいベランダの、
半分ぐらいに並べておく。
プランターには、屋根に届くぐらいの
棒を立てておいて。

あとはご察しの通り。
夏になるほどむかごはにょきにょきと
ベランダの柵をつたい、棒をつたって
ベランダの天井まで覆います。

夏になるとそれは、日差しを遮るカーテンになる。
ベランダの半分を覆いつくし、
風通しがよく、外からは見えず、中には光が通り
日差しを遮って風を通して涼しく、
秋にはむかごがたっぷり食べられる。

日本の残虐な夏を乗り切る最大の知恵は、
影と風だとずっと考えています。
ベランダの日差しをさえぎり風を通すカーテンが
天井からすだれを下ろしたり、
背の高いすだれを立てかけたりして
できないかなと考えていました。
でも、すだれ自体が重過ぎて、あるいは
ベランダに金具をつけたりしなくてはならなくて、
お金とか物理的重量とか、挫折要因が多過ぎたのでした。

ムカゴなら大丈夫。
上から下ろすのではなく、下から勝手に伸びていく。
勝手に伸びて、勝手にカーテンになって、
冬になると
すべて枯れ落ち
陽は部屋に暖かく注ぎ込まれる。


今年の夏は、涼しく過ごせそうです。
秋には、お腹いっぱいになりそうです。