サカタさん、ついにやりました。やりましたよ。やっと、アナタとボクの夢を実現することができました。
思い返せば2年前。2人で作ったサウナのページでの取材は衝撃的でした。日本サウナ協会の方が放った一言「本場フィンランドではサウナに入ったあと、湖に飛びこむんですよ」。これを聞いた瞬間に、「と、飛びこみたい……」と、2人の心は1つになり、本物のサウナを求めて徘徊する、2人のサウナバカが生まれましたね。ボクの誕生日に、サカタさんが自腹でプレゼントしてくれた、後楽園サウナのフルコースの味は、今もしっかりと覚えています。
友人に連れられてやってきた、彼のサマーハウスは、湖のそばに建っていました。こ、これは! と立ちすくむボクを尻目に友人は「じゃ、サウナでも暖めるか」と、サウナストーブにマキをくべ、火を焚きました。
ソワソワ待つこと1時間。十分に暖まったサウナに裸で入り、アチアチになったサウナストーン(こちらではストーブストーン、と言う意味のフィンランド語で呼ぶそうです)にジュウ、と水をかけます。そうです。あのブワッとくる蒸気、取材で習った『ロウリュウ』です。この蒸気『ロウリュウ』に身を包まれると、ドバッと一気に汗が出てきます。
汗を存分にかいたところで、ついに、ついにサカタさん、その瞬間がやってきました。ハダカのまんまでドアを開け、蚊にさされるのもモノともせずに、湖のうえにかかる桟橋をゆっくりと、しかし確実に前に足を踏み出し、そして助走を開始しました。このときのボクの心はサカタさん、アナタのことでいっぱいでした。
さっき触った湖の水は冷たかったです。心臓マヒ? という不安もよぎりましたがサカタさん、今のボクは1人ではありません。遠く離れていても心は1つ。2人のバカが1つのカラダとなって、素っ裸で、桟橋を駆け抜けているのです。
とう!
フィンランドの湖はきれいです。深夜12時にもなると夕日が湖面に写り、森の影とのコントラストが、幻想的な姿を見せてくれます。サカタさんありがとう。『ターザン』でアナタとサウナのページをつくらなかったら、フィンランドをこんなに楽しめることもなかったでしょう。サカタさんありがとう。2人で飛び込んだ湖は、冷たくも温かく、2人のカラダを冷ましてくれました。
でも、本場の人々は甘チャンです。サウナの温度は65度ぐらいでオッケーとか言ってます。こっちが、さあこれからだと思っている矢先に、「暑いよ、もういいよ」と出てしまいます。さすが氷河期を乗り切った遺伝子を持ってるだけあって、寒さにはメッポウ強いが、暑さにはカラキシ弱いです。
あとロウリュウは、こっちでは「レウルー」と言ったほうが通じます。そして、一発、二発みたいな使い方、数え方をするみたいです。友人が「さ、あと一発レウルーくらってシャワーでも浴びるか」みたいなことを言ってたんで、たぶん間違ってないと思います。