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上りこそスピード



 2、3日休み、腰の炎症もおとなしくなったため、トレールライドに出かける。腰が固まっているので、自転車のペダルをこいで、股関節と骨盤周辺の筋肉&じん帯をほぐしてやった方がいいのだ。筋肉を使わず、骨盤から始まる下半身の骨格を、ムチのように使って力を出す方法は、2年ほど前にスノーボード・フリーマガジン『SupeRb』に書いたから、そちらを参照してほしい。

 モンキーボーイズの3名、すなわちShow、Hero、そして不詳パンダソニックもオサーンながらにそうなのだが、は、昨日ボクが直したトレールのセクションを走り、『オレが直したこのセクションの上を、今後10年ぐらい、ウィスラーのライダーは走るんだろうな』と2人にエバリ散らしたあげく「ありがとうございました」とか無理矢理言わせてご満悦。さらなる奥へと向かう。



 本日は、『Shit Happens』(悪いことは起こるものさ)と『Kill me thrill me』(私を殺して、怖がらせて)の2本だて。ただ、ここらのトレールにつく名前は、例えばなんかの曲名をもじってたりもするので、直訳には気をつけよう。有名なトレール『Comfortably Numb』を2004年に雑誌『ターザン』で紹介したとき、「快適なしびれ」なんて直訳して掲載してしまった。出版後に、これがピンク・フロイドの名曲であるというのを思い出して、ほぞを噛んだものだ。

 で、以下が、そのトレールの模様。もう岩とか根っことかすごいですが、心の目(マウンテンバイカーの目)で見ると、きちんときれいに通れるラインが見えてくるんですな。ボクはこういう難し系だが、きちんと隠れたラインがついてるトレールってのが、すごく好きである。







 先に、ウィスラーの上りに必要なのはトルクだ、と書いたが、もう1つ必要なものがわかった。それは、スピードである。シングルトラックの上りでは、ぐいぐいと一枚以上重いギアを踏んで、スピードを落とさないようにしないと、岩や根っこでつんのめってしまうのである。スピードが遅いとマシンはフラつき、タイヤは無駄に空転し、止まる。重いギアでスピードを作り、どんなセクションでも『登れると信じて』踏んでいくと、クリアできる。

 上りでスピードを得るためには、ごついブロックの、サイド・ケーシングがしっかりとした細めのダウンヒルタイヤ、サイズで言えばそうだな、2.3ぐらいがいい。重くたってかまわん。重量や走りが軽い、なんていう軽量タイヤは跳ねちゃって使いにくい。空気は2気圧程度。ブヨブヨさせて喰い付かせないと話にならん。

 リアサス方式によるグリップが、とか、バネ下重量が、とか、ハンドルポジションが、とか、そういう話をするのは、すべてその後にしておきたまえ。舗装路みたいなオフロードしか乗らない軽量マニアも、こういう真実があることを知っておいた方が、後々恥をかかなくて済む。

 鍛えよ脚を。踏む力と、上りでバランスをとる能力を。

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