カアチャンから、スケートパークに着いたと連絡があったとき、パンダソニックはガケの途中にいた。
厳密にはこうだ。マウンテンバイクならぎりぎり下れる程度の、ガケみたいなセクションの真ん中あたりで、下り疲れした息をゼエゼエと整えつつ、ノッピキならないところまで恐怖心を押さえ込んでいたのである。
ウィスラーベースのクロモリ・フレームブランド<クロマグ>による、恒例『フライデー・ライド』は、噂以上のタフ・ライドだった。あれほどハードなトレールは、生まれて初めてだ。
まず普通の上りから、林道の上りに入る。ただ林道だと思ったら大間違いだ。まず斜度が半端じゃない。クルマが登れんのかと思うぐらい急だ。しかも敷かれてる砂利がでかいので、スピードを奪うくせに、力を入れるとずるりと滑る。1段重いギアで、トルクをコントロールしながら登らないと、押すはめになる。押しても斜度は変わらないので、押し上りの5分に1回は休憩を入れたくなる。
ちょっと押している間にコーナーの先に消えた、イーアン含む3名を必死で追いかける。ライン上にある、まだ湯気が立ってる感じのクマの糞をよけながら、とにかく自分は登れるのだと信じきり、滑らないよう重めのギアを踏むのである。先に行くうちの1人はダウンヒル系ゴツゴツタイヤを履いて、空気を1.8気圧ぐらいのブヨブヨにして登っている。それぐらいの方が、重いが路面はつかみやすくなる。辻くんが「ウィスラーではトラクション、とにかくトルクとグリップ力が必要」だと繰り返していたのを思い出す。
休憩を挟みつつ、そんなふうに登って標高1200m。出発地点が600mほどだったから、1時間半ほどで標高を600mほど稼いだことになる。ただの林道上りのくせして、死ぬかと思った。
山の中に入り、ものすごくデカい岩とか根っことかでつながったトレールを走り、もうここ絶対下りたくないなと思うところを登っていった。途中までは自転車を押すか担ぐかを考える余裕はあったのだが、そのうち、バイクを担がなければ絶対登れないところばかりになってきた。ここにきて、ボクのリアサスはとてつもなく重い荷物になってきた。
もうヒモで上から自転車を引きあげてもらわないと、自分だけすら登る自身がないところで往生していると、その上から3人が自転車に乗って降りてきた。ギリギリのところで斜面にくっ付いてる感じだ。
「もう、降りるから」
と彼らは言って、いま登ってきた、絶対下りたくないところを下って行った。泣くかと思った。ここからパンダソニックは1時間半の間、初めての下りエクスペリエンスをすることになる。例えば、今までで怖い思いをした5秒ぐらいのセクションが、5分ばかり続くのである。オシオキされている気分である。5分のオシオキ下りが終わると、2分ぐらいはサドルに座れそうなところになる。なるのだが、じわじわと難しくなっていき、気がついたらまたオシオキだ。サドルはずっとお腹の当りにある。写真はこんな感じだが、この恐怖心が伝わらないのが、悔しくてしょうがない。
「ウィスラーなんて、嫌いだ」を繰り返し、怖いが、しかし楽しいこのトレール「Ride, don't slide」を下る。日本語だと「乗ってもいいけど滑るなよ」という意味の名前がついた、れっきとしたトレールなのである。市販のトレールマップに載ってるのかどうかは知らないが、載ってたらこれが普通かとイヤになりそうだ。しかしそれでも、コースには絶妙なところに岩が置かれて走りやすかったり、橋がかけてあったりする。こんなガケみたいなトレール、いったいどうやって作ったのかと思っていたら、コース途中にいたこんな人が作っていた。本当にありがとう。ありがとう。
で、こんなところがあったりして、
下りきったところにこれがあって、
こーなる。
来週も参加するかどうかは考え中。
厳密にはこうだ。マウンテンバイクならぎりぎり下れる程度の、ガケみたいなセクションの真ん中あたりで、下り疲れした息をゼエゼエと整えつつ、ノッピキならないところまで恐怖心を押さえ込んでいたのである。
ウィスラーベースのクロモリ・フレームブランド<クロマグ>による、恒例『フライデー・ライド』は、噂以上のタフ・ライドだった。あれほどハードなトレールは、生まれて初めてだ。
まず普通の上りから、林道の上りに入る。ただ林道だと思ったら大間違いだ。まず斜度が半端じゃない。クルマが登れんのかと思うぐらい急だ。しかも敷かれてる砂利がでかいので、スピードを奪うくせに、力を入れるとずるりと滑る。1段重いギアで、トルクをコントロールしながら登らないと、押すはめになる。押しても斜度は変わらないので、押し上りの5分に1回は休憩を入れたくなる。
ちょっと押している間にコーナーの先に消えた、イーアン含む3名を必死で追いかける。ライン上にある、まだ湯気が立ってる感じのクマの糞をよけながら、とにかく自分は登れるのだと信じきり、滑らないよう重めのギアを踏むのである。先に行くうちの1人はダウンヒル系ゴツゴツタイヤを履いて、空気を1.8気圧ぐらいのブヨブヨにして登っている。それぐらいの方が、重いが路面はつかみやすくなる。辻くんが「ウィスラーではトラクション、とにかくトルクとグリップ力が必要」だと繰り返していたのを思い出す。
休憩を挟みつつ、そんなふうに登って標高1200m。出発地点が600mほどだったから、1時間半ほどで標高を600mほど稼いだことになる。ただの林道上りのくせして、死ぬかと思った。
山の中に入り、ものすごくデカい岩とか根っことかでつながったトレールを走り、もうここ絶対下りたくないなと思うところを登っていった。途中までは自転車を押すか担ぐかを考える余裕はあったのだが、そのうち、バイクを担がなければ絶対登れないところばかりになってきた。ここにきて、ボクのリアサスはとてつもなく重い荷物になってきた。
もうヒモで上から自転車を引きあげてもらわないと、自分だけすら登る自身がないところで往生していると、その上から3人が自転車に乗って降りてきた。ギリギリのところで斜面にくっ付いてる感じだ。
「もう、降りるから」
と彼らは言って、いま登ってきた、絶対下りたくないところを下って行った。泣くかと思った。ここからパンダソニックは1時間半の間、初めての下りエクスペリエンスをすることになる。例えば、今までで怖い思いをした5秒ぐらいのセクションが、5分ばかり続くのである。オシオキされている気分である。5分のオシオキ下りが終わると、2分ぐらいはサドルに座れそうなところになる。なるのだが、じわじわと難しくなっていき、気がついたらまたオシオキだ。サドルはずっとお腹の当りにある。写真はこんな感じだが、この恐怖心が伝わらないのが、悔しくてしょうがない。
「ウィスラーなんて、嫌いだ」を繰り返し、怖いが、しかし楽しいこのトレール「Ride, don't slide」を下る。日本語だと「乗ってもいいけど滑るなよ」という意味の名前がついた、れっきとしたトレールなのである。市販のトレールマップに載ってるのかどうかは知らないが、載ってたらこれが普通かとイヤになりそうだ。しかしそれでも、コースには絶妙なところに岩が置かれて走りやすかったり、橋がかけてあったりする。こんなガケみたいなトレール、いったいどうやって作ったのかと思っていたら、コース途中にいたこんな人が作っていた。本当にありがとう。ありがとう。
で、こんなところがあったりして、
下りきったところにこれがあって、
こーなる。
来週も参加するかどうかは考え中。