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新旧《レイン2》比較


 ツーリストだけでなく、地元ウィスラー・ローカルの、何となくマウンテンバイクを趣味にする人が選んだ車体も、やはり《ジャイアント・レイン》が多い。乗るほどに、ウィスラーの全てを1台で乗るために作られたのではないかと思われてくる。

 まずストローク長の6インチだが、これはダウンヒル用としては短すぎ、トレール用としては長過ぎる。特にトレールでは、リアサスはライダーがまたがった時点である程度サスを縮める設定(これをSAG サグという)であるため、ハードな上りでついサドルから降りると、サドルは元の高さ以上のところまで伸び上がり、ちと頭に来たりもする。

 しかし、もしパンダソニックのように1台しか持てないのであれば、レインでよかった。ダウンヒルではぶっ飛ぶまでに練習時間が必要だし、トレールでは上りに多少苦労するのだが、それでも両方いける。理想を言えば、場所によりタイヤを履き替えれば、かなり性能はあがるはずだ。

 そしてもう1つの利点。このレインが装備するリアサスシステム『マエストロ』が、4バーリンケージであることだ。乗り手は、前後二つのサスの間にはさまれて宙に浮く、すなわちフローティングさせるわけである。スペシャライズド社の特許に引っかからないよう、4バーを実現してる、というところがすごく、そしていい。

 さらによく見てみると、行き交う先々みなレイン2であった。みな、というのはもちろん言い過ぎだが、昨日一緒に走ったローカルが乗っていた2008モデルと、パンダソニックの2007モデルがあるから、比べてみよう。ちなみに07は、ヘッドパーツとクランク以外全てパーツを変えているので、ストック当時の様相は見る影もない。

 重そうな(そして確かに重い)07にくらべ、すっきりデザインで軽そうな(そして確かに)08レイン・マエストロ。ストローク量は同じである。見た目では、リアサスユニットの置かれる角度が、07の方が倒れ気味だ。クランクの中心部であるBBに、乗り手の体重が全て乗るとして、ここをフローティングにするためには、4つのピボットの位置関係は。。。。前に進むベクトルを考えると。。。。ジャンプでパンプするときにBBが押し込まれる方向は。。。。。なるほどなるほど、いろんな深読みができますね。リアサスって、おもしろいなあ。

 この自転車のなかで一番好きな部分は、BBのすぐ上を通る、黒くて曲がった棒みたいなリンクです。これが、効くんです。これがなけりゃ、意味がないんです。

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